〜この地に植えられ70年〜
主イエスよ来てください!
ずっと後の日になって・・・

神さまの働きは、派手派手しいところからは始まりません。信じられないような、水の上にパンを投げるような、分散投資にもならないような環境下で、起こることが多いのです。それも後の日に、気づかされるのです。

 

この三つの教会の歴史、それぞれ大きな戦いがありましたが、最も大きな戦いを強いられたのが、日本のリバイバルの原点、津具村をになう設楽教会でした。しかしこの教会は今でも存続しています。現在、設楽教会の牧師は、四代目です。

設楽教会の初代の牧師は河合礼輔という人でした。もう亡くなられましたが、熱心に教会を開拓されました。しかしある日、教団とトラブって、家族全員が設楽を去ることになりました。それはたいへん悲しい事件でした。

その後、見城寛治さん一家が牧師として赴任したのですが、二年目だったでしょうか。寛治さんはオートバイ事故で、幼い子ども五人を残して亡くなりました。本当に悲惨な最期でした。私は寛治さんと仲が良くて、あの日の事を忘れることが出来ません。

それでも設楽の宣教を諦めなかったのです。父は故郷での宣教の火を消してはいけないということで、その後、東京で学校の先生を長年務め、定年退職された原田友衛夫妻を招聘し、二十年ぐらいでしょうか、設楽で本当に良い働きをされました。私もこの先生方がいなかったら、今、牧師やっていないと思います。

 先日、在りし日の原田先生ご夫妻の写真をいただきました。奥様は家内と同じ膵臓がんで亡くなられました。亡くなる前の写真だと言われたのですが、ご夫妻に励まされ、私は牧師になることができました。

先日、新城教会から設楽教会にお邪魔して、菅沼先生ご夫妻と共に賛美し、祈る時間を持つことができました。

つらい歴史の中、今でも教会は戦っています。三つの教会の内、二教会の定期礼拝はストップしていますが、リバイバルの原点にある設楽教会は今も機能しています。

今まで絶大な犠牲を払って、水の上にパンを投げ続けてきたのに、やがて火が消えてしまうのかなぁと、ちょっと、虚しさを感じることもあります。

実は何週間か前、滋賀県の牧師から、たいへん興味深い、励まされる証しを聞きました。その先生は、新城市よりも大きな滋賀県のある街に住んでいて、今年は区長に選出されたというのです。それで、近頃、市長、副市長を含む、街の要人たちとの会議に出席したというのです。

会議が終わって、帰ろうか!と思った時、「副市長の所に行って話しをしなさい!」という、インスピレーションを聖霊さまから受け取ったと言うのです。副市長は偉い人ですから、その牧師はがんばって話しかけたそうです。

話している間に聖霊さまが続いて、「副市長の出身地を聞きなさい」と言うのです。市長とか副市長は、大体その街の出身者です。街を良くする会議で、副市長に「出身地はどこですか?」と聞くのは、空気の読めない質問です。ちょっと躊躇したそうですが、勇気を出して聞いたと言うのです。

「副市長さん。あなたの出身地はどこですか?」と聞いたら、少しためらいながら、「私の出身地ですか?愛知県の田舎ですよ・・。」と答えたそうです。

するとその牧師は、「愛知県の田舎って、もしかして設楽町ですか?」と聞き返したそうです。すると、「あなたはなぜ、設楽町を知っているんですか?」と逆に副市長が驚かれたそうです。

なぜ、その牧師が設楽町を知っていたのかというと、その牧師の娘が、設楽教会の菅沼先生の長男と結婚したからでした。現在、そのご夫妻は滋賀県で伝道しています。

その牧師は、義理の息子が設楽教会の人物で、設楽町を知っていたわけです。

その牧師は、「私は設楽町を知っていますよ。なぜなら、私の娘が、あの町にあるキリスト教会の牧師の息子と結婚したからです!」と答えたら、副市長が、「えっ!それって、設楽教会の事ですか?」と聞いたと言うのです。「そうです!」と答えると、こう話したそうです。「実は私、高校生時代、設楽教会に通って、原田先生の奥さんから英語を習っていました。私の結婚式にも、原田先生ご夫妻を招待しました!」と答えたというのです。まさか、滋賀県でそんな出会いがあるなんて、日本の人口、一億二千七百万人分の一ぐらいの確率です。普通ではありえないことです。

それも原田先生ではなく、次の世代の牧師の息子と、滋賀県の牧師の娘が結婚したので、知っていたわけです。

聖霊さまがなぜ、「副市長に語りかけなさい。出身地を聞きなさい。」と言われたのか、理由がわかります。

副市長が言われたそうです。「滝元先生も亡くなられたそうですね・・・。」よく知っておられたそうです。

まさしく、「水の上にパンを投げよ。後の日になって見出す。」とありますが、大きな励ましではないでしょうか。

今まで、日本の教会はなかなかうまくいかない‥。と感じていました。新城教会も七十年間、いろいろやってきたけれど、何だったんだろう・・・。しかし水の上に投げられたように見えるパンも、決して主の前には忘れられていないのです。福音の種は、必ず、生き続けるものです。

信仰生活の中で、様々な場面に出会います。祈りにおいても、すぐには結果は現れないかもしれません。しかし、後の日に振り返る時、まさに主が「歴史を通して」働かれたことに、気付かされるのではないでしょうか。

先週の水曜日、信弘先生が、自分の体験から同じテーマを語っていました。いつか、そのことを話してくれるかもしれませんが、プレイズ出版も三十年以上の歴史の中で、ふり返ると、主が働いてくださった事実がわかると語っていました。ちょっとしたことが次の神の時を生み出すのです。

新城教会は田舎にありながら、案外いろいろやっていますから、「どうやってうまくいったのですか?その秘訣を教えてください!」と言われます。私はその時、「何も計画を立てなかったことが秘訣です。」と答えることにしています。

私たちには、あまり計画性がないのです。流れるままというか、聖霊さまの海にパンを投げる中で、様々な新しい展開が起こっているのです。それが後の日になって、収穫されているのだと思います。現在、プレイズには本社ビルもありますし、アークホームとか、広く、大きくやっています。

始めは、新城教会の隣に本社と印刷所がありました。しかしここから移転する時も、神の不思議な導きがありました。旧ブレイズ事務所は現在、新城教会の事務所と、ヘブンズ・アイスクリーム&コーヒーになっています。

宗教法人法は結構面倒くさいです。今日は話すことはできませんが、いろいろあって、プレイズをこれからどうしようかという長い話し合いが持たれた事がありました。

その時、私がペロッと信弘先生に、「ここから出て、どこかに新しいビルを建てたらどう?」と言いました。すると信弘先生が、「あんたねぇ、簡単にそう言うけど、金がいるだに!」と言うわけです。「簡単に言うけど、それは難しい!」と答えました。それは事実でした。その頃、アークホームなどを建てた後で、資金調達はかなり難しい状態でした。「適当なことをペロッと言うね〜」みたいに言われました。しかし、私のペロッが、舌に聖霊の火がのっている時もあるのです。

この付近、結構土地の値段が高いのです。土地を用意するだけでも一苦労です。

信弘先生が私と話した翌週だったそうですが、お姉さんのけい子さんの同級会が、東京であったそうです。同級会が終わると、一人の人が来て、「私の母がアークホームでお世話になりました。」と挨拶されたそうです。そして、「その節は、弟さんの信弘さんに、本当にお世話になりました。何か、弟さんの働きに貢献できたらと思うのですが・・。」と話したそうです。

そして、こう話したそうです。「私は、新城に土地を持っているのですが、新城に帰る予定はありません。弟さん、私の土地を使ってくれませんかね?」と話したそうです。

それは私が信弘先生に、「土地を見つけて新しい事務所を建てたら?」と話した次の週でした。それで、どこに土地があるのかと聞いたら、現在、本社ビルが建っている場所でした。その土地の、右と左は一般の宅地で、坪二十万円以上でしたが、真ん中だけが、市街化調整区域で、坪五万円で手に入ったのです。それが、東京で出会った人の土地だったのです。私がペロッと言ったのが、ただの思い付きで、水の上にパンを投げるような発言でしたが、聖霊の導きがあったのです。そしてその場所に、現在、プレイズの本社が建っています。

クリスチャンが互いに会話する中に、聖霊さまが働いて、後の日になって大きな励ましとなり得るのです。それがクリスチャン人生です。

今週も、『あなたのパンを水の上に投げよ。ずっと後の日になって、あなたはそれを見出す。』という言葉を心に留めたいです。一見無駄に思える信仰の行為も、必ず益となる。また、大胆な投資が成功をもたらす。

もう一つ、新約的概念を重ねるなら、「ずっと後の日になって、それ(糧・必要)を見出す。」という約束とは、神の最善の時において、絶妙なタイミングによって、神のみわざが実現し、神の国の実現の希望へと結びつく。

このことを心に留めて、歩んでいきたいと願います。

新城教会、七十年が過ぎましたけれど、今後も水の上にパンを投げ続けていきたいと願います。それも、神の霊が蠢く水の上にパンを投げ続けたいです。後の日になって、大きな収穫となり、奇跡となって、見出すと信じます。

今日は、七十年の中に起こった、日本史・世界史と関わりながら、私たちの立ち位置を検証させていただくとともに、教会に起こった事柄に関しても、語らせていただきました。主はこれからも、継続して働かれることを信じ、信仰を強くし、前進したいと願っています。

最後に一言お祈りさせていただいて、メッセージに代えさせていただきます。

天の父なる神さま、み名をあがめて、心から感謝をいたします。新城教会、今週は特に、宗教法人格を取得した記念の週ですが、今まで守ってくださったことを心から感謝します。この教会に聖霊が注がれて、三つの教会ができました。その教会のために、これからも祈り支えたいと願っています。主よ、導きをお与えください。大きな勝利に繋がると信じます。

主よ、かつて新城教会に属しておられ、現在、天の教会に属するすべての兄弟姉妹、先生方の残した働き、同時に、新城教会に託されたすべての働きは、決して無駄ではないと信じて、心から感謝します。大胆に、あなたのために投資できますように。最善の時に、絶妙なタイミングで、主のみわざを現してください。

聖霊さま、二〇二三年に、大きなみわざを現してください。すべての栄光をお返しして、尊いイエスさまのみ名によって、祈りをみ前におささげいたします。アーメン。

「あなたの働きが後に、大きな働きとなります!」と、大胆にお隣の方に宣言してください!