2024年春号

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ザ・メッセージ

　長かった冬の季節が過ぎて、待ちに待った春がやって
きました。草花は勢いよく芽を出し、花を咲かせています。まさに被造世界（自然界）は復活の命に溢れています。

クリスマスと並ぶ世界最大のお祝いは、春に行われる「復活祭」です。それはイエス・キリストが死から復活されたことを記念するお祝いです。

復活祭の朝、新城教会では、毎年、先に天国に旅立った方々を偲ぶ「召天者記念会」が行われます。それは悲しみを新たにする日でもありますが、私たちには大きな希望があります。
人は死者を弔う生き物です。「弔う」の意味は、「人の死を悲しみ、いたんで、遺族におくやみを言うこと」です。それは宗教とは関係のない人の感情です。同時に、人は信じる信仰によって、いにしえから葬送の儀式を行ってきました。日本では結婚式はキリスト教で行われるものの、葬送は「仏教式」がほとんどです。

宗教には必ず、「死後の世界観」が付随しています。「葬式・葬儀」とは、故人が選択した死後の世界を、参列者らに証しする人生最後のイベントです。仏教式の葬儀ならば、「輪廻転生」を受け入れ、六界のどこかに旅立った宣言です。
キリスト教の葬儀も同様です。キリスト教が掲げる死後の世界を受け入れ、選択したという証しであり、宣言です。
クリスチャンの死は、「死後、神の国に入り、先に天に帰った家族や友人たちと合流」した事を意味します。さらに、イエスさまが復活されたように、やがて天地創造の神が、被造世界を更新し、新しい天と地として再創造されるその日、死者は復活すると教えています。キリスト教の世界観は、死後、神の国に入るばかりか、やがて新たにされた地上に戻り、新しい体で、永遠に神と共に過ごすという、壮大なものです。

誰でも体験しなければならない死と死後の世界。それは宗教的世界ではなく、現実なのです。どの道を選択するかは、地上でのひとり一人の厳粛な決断にかかっています。それは人生で最も大切な決断であり、選択です。
あなたは、どの道を選択されていますか？

『イエスは彼に言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとに行くことはできません。新約聖書』

僕は福岡県小郡市という場所で生まれ育ちました。豚骨ラーメン一蘭の発祥地です！

親はデザイン関係の仕事をしながら、三人姉弟を育ててくれました。幼少の頃から母親が描いた絵をよく美術館へ見に行ったり、姉が漫画を制作していたので、その影響も受け、小学生の頃は漫画家になるのが夢でした。

ですが、まわりにいるたくさんの才能溢れる人達と自分を比較し、自分には才能がなく技術のレベルが低いと決めつけ、夢を諦めたのです。喘息という病をきっかけに、医者の勧めでサックスを吹き始め、高校2年生の時には症状がピタッと治り、そのままサックスに魅了され、本格的に音楽をするようになりました。

プロの音楽家になることなんか自分には無理な事だと思っていましたので、高校を卒業すると、果物を市場で競り落として買い付けるバイヤーの会社に就職しました。市場には気性の荒い人達が多くいて、早朝から喧嘩が始まることもあり、唖然とし、すぐに辞めようと思いましたが、少しずつ仕事を覚えていくうちに楽しくなり、気付いたら7年間働いていました。自分で稼いだお金だったら何をやってもいいんだと勘違いをし、夜はDJが爆音で曲を流してみんなで踊っているクラブに週3で通うようになりました。朝方までどんちゃん騒ぎをし、そこから仕事にいくという乱れた生活をしていましが、実は心の奥底では自分の将来はどうなるんだろう？と不安を抱え、誰にも言えずに強がって生きていました。夜のクラブに行くと全て忘れて解放されたかのようになり、でもまた次の日には現実に戻り不安が襲ってきました。それを心配していた同級生の友達が僕を連れて行ってくれた場所が、人生で初めての教会だったのです。その時、毎年世界のベストセラーと言われている聖書を生まれて初めて読みました。
Ⅱコリント5章17節「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」とありました。「こんな自分でも？年齢や国籍や育った環境も関係なくキリストと共に歩めるんだぁ、新しくされるんだぁ」と嬉しくなって希望が持てました。「イエスさまは自分の為にも十字架にかかってくれたんだぁ」と、その無条件の愛を知り、少しずつ将来に対しての不安がなくなっていき、自分に自信を持つ事ができ、喜びが溢れました。それから2ヶ月後に洗礼を受け新しい歩みがスタートしました。それから「この十字架の救いを伝えたい！」と思いを持つようになり、神さまはサックスを用いて福音を伝える機会を与えてくれました。そこからプロの音楽家としての道が開かれ、家族の救い、友の救い、数々の神さまの奇蹟と恵みを見させてもらいました。後に分かった事は、僕の故郷小郡市から牧師夫人になられた方がおられ、その方が「この小郡市からクリスチャンが起こされますように」と祈り始めたのが1981年からだったそうです。なんと僕が生まれた年だったのです。祈りは時を超えても聞かれ、決して無駄ではない！と、本当に嬉しかったです。
神さまの為に、福音を伝える為にもっと楽器が上手くなりたいと思い、世界最高峰のサックス奏者・ロン・ブラウン氏に直接レッスンを受けるために、会社を退職し退職金を使って、アメリカ・ロサンゼルスへ渡米しました。
ロンさんは、かつてデューク・エリントンバンドに所属し、ダイアナ・ロスなど世界的なミュージシャンと共演してきた奏者であり、僕もこんな音を出したいと憧れを抱いていました。神さまと色んな方の助けを受け、2009年に念願の弟子入りが正式に認められ、翌年にはロン・ブラウン氏プロデュース「Break Through」でデビューアルバムをリリースさせて頂きました。
衝撃を受けたロンさんの美しく心に入ってくるサウンドと音楽の源はどこからきてるのか？それはイエス・キリストを土台とするロンさんの生き方にあることを知りました。技術的な事はもちろん、日常生活の面も厳しく指導してもらいました。日本が大好きで新城教会にも何度も訪れ、新城は日本のホームグラウンドだといつも言っていたロンさんでしたが、一昨年の4月に天国に行きました。本当に寂しかったですが、師匠が愛する日本の為にサックスを通して命をかけて福音を届けてくれたそのスピリットを受け継いでいきたいと強く思っています。
コロナの時期、全て仕事が無くなった時に、聖書の言葉、箴言3章5節「心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。あなた
の行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。」により励まされ、この言葉から新しい曲「All Your Heart」ができました。これが軸になり今回４作目となるアルバム「ALL YOUR HEART」をリリースすることがでしました。
ロンブラウンさんの大親友で世界的サックス奏者カーク・ウェイラムさん（ホイットニー・ヒューストン主演映画ボディーガード主題歌のサックス奏者）が僕の思いを受け取って下さり、タイトル曲に参加して下さいました。本当に主の憐れみと恵みです。
4月14日は新城教会での復活祭特別礼拝にて、サックスを奏でさせて頂きます。皆様とお会いできます事を楽しみにしています。