2025年ニューイヤー・セレブレーション

2025年1月1(水)

 


≪滝元順牧師≫

新年、明けましておめでとうございます!
二〇二五年、どのような年になるのか、誰にも予想がつきません。しかし昨晩、七名の牧師たちがさまざまな角度から語ってくださいました。たいへん恵まれました。それを聞きながら、主が語ってくださっているメッセージであると感じました。後日、メッセージをまとめてお渡ししますので、ぜひとも読んでいただきたいと思います。

今日は、新年、最初の礼拝ということで、祈りの中で主から示された事柄を語らせていただきたいと願っています。
昨年私は、「主よ、遅れないでください」というテーマで一年間語らせていただきました。今年もそのテーマは引き継ぎたいです。

話は変わりますが、明治時代、一八八五年頃、愛知県北設楽郡津具村でリバイバルが起こりました。現在、津具村を訪れると、牧師の記念碑が建っています。この石碑を建てるために拠金した、百二十軒ほどの名が刻まれています。
津具村の当時の人口は、千人いたかいないかくらいです。百二十軒が寄付したということは、一家族あたり四人としても、五百名近くがクリスチャンであったと考えられます。
これは一九世紀後半の出来事で、当時のことを直接知る人はいません。

しかし先週、素晴らしい話を聞きました。豊根村のケアハウスに、今から十年ほど前、百歳ぐらいのおばあちゃんが入所したそうです。そのおばあちゃんは津具村出身で、母親が熱心なクリスチャンで、そのおばあちゃんは子どもの頃、毎週、村井與三吉先生の教会の日曜学校に出席していたというのです。そして、そこで覚えた賛美歌をケアハウスの中で、毎日、大声で歌っていたそうです。
その結果、ケアハウスの職員たちは皆、その賛美歌を覚えてしまったそうです。「どんな歌だったのですか?」と聞いたら、職員の方が教えてくれました。

「いざ歌え もろともに
みな歌え もろともに
悪魔の軍勢 多けれど
我らが大将 イエス君は
恐れることなど ありゃしない」

すごいですね。当時、村が分断するほどの大リバイバルによって、村はキリスト教賛成派と反対派に分かれ、霊的戦いが繰り広げられていたのです。
しかしその後、反対派の中から滝元明が生まれ、リバイバル運動を始めたのです。神の働きは、こうして受け継がれ現在に至っています。

一九九二年、新城教会において霊的戦いが始まりました。しかしそのルーツも、やはり津具村リバイバルにあったのです。
「悪魔の軍勢 多けれど 我らが大将 イエス君は 恐れることなど ありゃしない」
当時の津具教会が霊的戦いを意識していなければ、このような賛美歌を日曜学校の愛唱歌とするはずがありません。このことを聞いて本当に恵まれ、励まされました。

「一日は千年、千年は一日」という、神の時間感覚は、私たちとは違います。しかし永遠のみ手の中で、神の時は必ず訪れます。

内外を見るとき、なかなか大変な時代になってきました。いつの時代もそうかもしれませんが、歴史的に比較して見ても、かなり、たいへんな時代になっていることは間違いありません。
ローマ人への手紙十三章十一節から十二節にこう記されています。

“さらにあなたがたは、今がどのような時であるか知っています。あなたがたが眠りから覚めるべき時刻が、もう来ているのです。私たちが信じたときよりも、今は救いがもっと私たちに近づいているのですから。
夜は深まり、昼は近づいて来ました。ですから私たちは、闇のわざを脱ぎ捨て、光の武具を身に着けようではありませんか。”

ローマ人への手紙が書かれたのは、今から二千年ほど前のことです。その当時すでに、「今は救いがもっと私たちに近づいている。だから目を覚ませ」とパウロは語ったのです。ということは、今はさらに目を覚まさなければならないのではないでしょうか。

二〇二五年は、日本において一つの節目の年です。それは太平洋戦争が終結して八十年経った年だからです。

人は生まれる時代を選ぶことはできません。今から八十年以上前に生まれた方々は大変でした。青春などなかったかもしれません。多くの若者が戦争で命を落としたわけです。しかし八十年も経つと、人々が歴史を忘れてしまいます。そうなると同じことが繰り返し起こる危険性があります。

以前、世界には「東西冷戦」という構図がありました。それは一九四七年頃から始まり、ソ連の崩壊を持って終結したと言われます。しかし先日、「新冷戦時代に入った」と報じられていました。
現在、ロシアとウクライナが戦争をしていますが、ロシアを支援しているのは中国や北朝鮮です。北朝鮮は日本の隣国です。またウクライナを支援しているのは、欧米諸国で、日本もその一員です。まさに代理戦争です。すでに、「第三次世界大戦に突入している」とも言われます。戦後八十年が経ち、今年は本格的戦争に発展しかねません。

現在、韓国で大きな問題が起こっています。韓国のために祈らなければいけないです。日本人は分かっていませんし、韓国の方々も分かっていないのかもしれません。あの問題の根源に北朝鮮が関わっています。もはや日本は「対岸の火事」では済まされません。

二〇二五年、世界的枠組みも大きく変わるかもしれません。一月二十日は、アメリカではトランプが大統領として就任します。日本では石破氏が首相に就任しています。長い日本の歴史の中で、プロテスタント信仰を持った首相が誕生したのは石破さんが初めてです。彼は神社に参拝したりするものの、根底にはクリスチャン信仰があります。石破氏は洗礼を受けており、クリスマスには教会に行ったと報道されています。
トランプも、素行は悪いものの根底は厳格なクリスチャンだと言われます。このような指導者が立てられているのは、神の計画であると期待しています。

このような時代の只中で、教会の役割は本当に重要です。日本の教会規模は小さく、あまり盛んではないため、「教会には力がない」と思うかも知れません。しかし、教会は見えない世界においては、非常に大きな存在です。

教会とは何でしょうか。ただ十字架がついた建物ではありません。ギリシャ語で教会は「エクレーシア」と言いますが、これは元々ギリシャ社会の議会を指す言葉でした。この議会は、「種々の軍事行動に対する作戦と、宣戦布告の決定機関」でした。

聖書における教会の中心的意味は「戦いのために呼び出された者たちの群れ」となります。教会とは、神の軍隊なのです。どのような戦いをする軍隊か。それは霊的戦いです。霊的な世界で戦える軍隊は、世界に、教会しかありません。教会が霊的戦いをしなければ、この世は悪魔の支配下にありますから、歴史はどんどん悪くなります。

以前にもご紹介しましたが、ユースタス・マリンズという作家は、世界を支配しているのは一握りの人たちではないかと気づいて、長らく調査をしました。そして彼は、次のような結論にたどり着きました。

『人類が直面している危機に関して、この四十年のあいだ根気よく調査研究を続けた結果、私は、「すべての陰謀はサタンの仕業である」という、極めて簡潔な結論に達した。・・何年ものあいだ、この回答を引き出せなかったのは、私が道筋を誤っていたからではなく、究極の知識源、聖書を参考にしていなかったからだった。・・人類の歴史は神の民とサタンの礼讃者との戦いの歴史でもあるということだ。歴史的出来事は、この二つの対立勢力の実際の記録を明かすものだから。』

歴史とは何の記録か。それはサタンの軍隊と、神の軍隊との交戦記録です。
もしもマリンズが語ってることが事実ならば、教会が使命を果たさなければ、歴史は悪魔の思うがままに刻まれます。過去に人類は多くの苦しみを味わってきましたが、それらがすべて、二つの勢力の対立の結果であったと言うことです。教会がこのような視点に立って戦うか否かで、歴史は変わることになります。

昨年も少しご紹介しましたが、アメリカの保守的ニュースメディア「FOXニュース」でアンカーマンを務めていたタッカー・カールソンが、次のような発言をして大変話題になりました。
それはアメリカ人に霊的戦いをするよう勧め、「私たちの国のために祈ってください」と呼びかけました。なぜなら、彼は、現在起こっている事柄は、暗闇の力、悪魔・悪霊どもの勢力が関わっているからだ!と気づいたと言うのです。
彼は世界で起こっているさまざまな事柄を報道・解説する立場だったわけですが、「これらは単なる政治的な問題ではなく、背後で蠢く悪魔や悪霊どもが犯人だ!」と気づき、このように発言したわけです。
教会は、単なるソーシャル・クラブではありません。神の軍隊です。

二〇二三年、アメリカで話題となった本が、『The Great Dechurching』(ザ・グレート・ディチャーチング)という本でした。それは「大規模な教会離れ」と訳すことができます。この本で、次のように述べられています。

「米国は歴史上最も大きくて速い宗教的変化を今体験している。」

日本はアメリカと連動しているため、アメリカで何かが起これば、その余波をすぐに受けます。
今から数年前、アメリカで同性婚が認められ、同性愛が一般化し始めました。その頃、日本ではあまり話題になっていませんでした。しかしあっという間に、LGBTQという言葉が広がりました。神は男と女しか造られなかったはずです。しかし性別も多種多様、結婚も様々なタイプがある!と、変化してしまいました。この流れもアメリカから始まり、日本に波及しました。
私たちはアメリカのために祈らなければなりません。そして、この本では、「アメリカは歴史上最も速い変化を遂げている」と言うのです。
それは、「ここ二十五年間で、約四千万人のアメリカ人クリスチャンが教会を離れた。」というものでした。

四千万人とは、すごい数です。
一九七二年、アメリカ人に「あなたの宗教は何ですか?」と聞いたら、約九十パーセントが「クリスチャン」と答えたそうです。なぜこんなにクリスチャンが多かったかと言うと、そもそもアメリカの建国の歴史が宗教的自由を求めて移民した清教徒たちによるからです。しかし二〇〇八年には、その割合が七十七%に減少し、二〇二三年には、六十六%しか「クリスチャン」だと答えなかったそうです。それでも日本より、ずっと多いと思うかもしれません。けれども、実際的には、四千万人もの人たちが教会を離れたのです。
コロナも大きな影響を教会に与えました。現在、世界的に教会が弱体化しています。

その理由を教会を離れた人たちに問うと、「教会が自分の望まない方向に変わったから」「教会が自分自身のニーズを満たしてくれなかったから」「牧師や教会に幻滅を覚えたから」というもので、大した問題で離れたわけではないとレポートしています。離脱者たちは、いわば自分の好みで離れたというわけです。
しかしこれは、悪魔の策略にまんまと引っかかったと言わざるを得ません。

例えば、ウクライナ軍の兵士たちが、「軍隊が自分の望まない方向に変わったから」とか、「軍隊が自分のニーズを満たしてくれなかったから」とか、「隊長と小隊長に幻滅を覚えたから」と言って、軍から離脱したらどうですか。その軍隊は全滅します。
同じです。教会とは、自分の好みの問題ではなく、神の軍隊であることを理解しなければいけないのです。

しかし離脱したクリスチャンたちはこんなことも言っているそうです。その五十一パーセントが「教会に戻る用意がある・・」と回答していると。それは、「寂しくなったり、自分のニーズが満たされれば帰ってもいいよ・・」ということらしいです。なんという理由でしょうか。
しかし著者は「教会離脱の理由の根本は、こんな理由ではないはずだ」と、さらに深く探りました。

そしてたどり着いた結論は、「東西冷戦時代が終結してから、人々は教会を去った」。
一九九一年十二月にソ連が崩壊しました。それまでは西側諸国と東側諸国が対立して、大きな危機が世界にはありました。そのときは、アメリカの教会は生きていたのです。
けれどもソビエト連邦が崩壊してロシアになったら、アメリカ教会が崩れたというのです。
共産主義は唯物論です。唯物論とは、物自体が神なのです。それは全ての根元は物質だ、という主張です。魂だって物質だ!という考えで、進化論がその考えを補助しています。
唯物論の反対語は、「唯心論」です。それは物質を越えた精神的世界があるというものです。西側諸国は、唯物論を基礎とする共産主義東側諸国に対してどう戦ったのか。それは、唯物論・進化論に対抗できる思想は、「創造論」しかなかったのです。深まる東西冷戦を背景に、教会は活性化していきました。教会は真剣に神に頼り、祈り、戦った結果、国民の九割以上が「クリスチャンです!」と答えるにまでに至ったのです。しかし東西冷戦が去った後、教会は崩れたわけです。
これも悪魔の策略です。教会が崩れれば、歴史は悪魔の思うがままに展開します。
教会はこの事実を受け止め、神の軍隊として、再編成されなければならないのです。