大いなる年 2024
主よ。遅れないでください!
後の日になって知る・・歴史と霊的戦い Part5

“しもべは、ふたりの主人に仕えることはできません。・・・あなたがたは神にも仕え、また富にも仕えるということはできません。”

「マモナス」、「マモン」について、J・ミルトンが失楽園の中で、「堕天使の中で最も品性が下劣で根性の悪い堕天使はいなかった」記していますが、最悪の軍団が、私たちがどうしても必要としている経済のただ中に存在していることを、どのくらいの人たちが理解しているでしょうか。

しかし、これらを神の知恵で見破るときに勝利が訪れるのです。悪魔のからくりに気づけば勝利できます。

今週、私は韓国の教会で奉仕させていただきます。日本人として奉仕するには、クリスチャンであっても、両国の歴史問題等に関する知識と知恵が必要です。
韓国で「最も有名な日本人」は「伊藤博文」です。伊藤博文は日本の初代内閣総理大臣です。彼は四回、総理大臣になっています。同時に、韓国で最も有名な人物は「安重根」です。安重根を知らない韓国人は韓国人ではないと言っても過言ではありません。しかし日本人は知りません。こうした歴史認識がないまま、韓国での奉仕は難しいです。
一九一〇年八月二十日から一九四五年まで、日本は朝鮮半島を植民地支配したわけです。
そのときの中心人物が伊藤博文であり、彼は朝鮮総督府のトップでした。そして、伊藤博文を暗殺したのが安重根です。その結果、彼は韓国の英雄となりました。

こうした日韓関係の歴史の中で、韓国で奉仕するのは大変勇気がいりますし、知識がないと務まりません。ぜひ、私のために祈っていただきたいと思います。

しかし、日本が朝鮮半島を植民地支配をしたことで、一九〇七年に平壌でリバイバルが起こったのです。すでに日本は一九一〇年以前から半島全体に影響を及ぼしていました。そんな中でクリスチャンや宣教師たちはどう行動したのかというと、

『宣教師たちは、韓日併合という亡国の悲痛さに落ち込んでいた韓国人に伝道する絶好のチャンスであると思った。痛嘆な状況で、少なくとも共に悲しむよりは、むしろ伝道の「絶好の日」として認識した。』

キリスト教の歴史を振り返ると、社会に様々な不安が蔓延する中、クリスチャンの祈りによって、歴史が変わっています。日本が朝鮮半島に進出し、植民地支配をした結果、クリスチャンたちが真剣に祈り始めたのです。そして、そこにリバイバルが起こってたのです。

教会では土曜日の早朝に早天祈祷会がありますし、月曜日には徹夜祈祷会もあります。ぜひ参加してください。しかし、早天祈祷会や徹夜祈祷会はどこから始まったのかというと、実は平壌から始まったのです。

『韓国人信徒たちは霊魂のため、とても熱心に祈っている。夕方の集会後には山に上がり、凍りついた地に伏せて、聖霊降臨を願い、神さまに泣きながら祈った。平壌では教会堂で早天に祈祷をする習慣もできた。』

と記録されています。

様々なことが内外で起きているこの時期こそ、私たちクリスチャンは神の国に憧れつつ、この地に主が帰って来られるように祈る必要があるわけです。

最近、私は平壌のリバイバルに関する新たな資料を手に入れました。これは韓国の学者の論文ですが、興味深い記事が多くあります。
日本は明治以前までは鎖国していたため、国としてのシステムが整っていませんでした。憲法もなかったので、近代の国々に参加するにはどうすればよいのかを学ぶ為に、伊藤博文は岩倉使節団の一員として、ヨーロッパに出かけました。そこで博文は次のように提言しています。

『博史は岩倉使節団の一員として欧米に滞在中に、条約改正を実現するためには天皇以下日本人全体にキリスト教を信じさせ、キリスト教国化するのが早道だと提言していた。』

日本を新しくするために、彼は天皇以下国民全体をクリスチャンにするのが一番の早道だと主張したのです。しかしその時、木戸孝允が「ヨーロッパを見てみろ!キリスト教で社会は大変なことになってるぞ!」と反対し、結果としてその意見は取り下げられました。このとき博文がもう少し頑張っていれば、日本はキリスト教国になっていたかもしれません。

さらに興味深いのは、伊藤博文が朝鮮半島に入った際のことです。こんな記録があります。

『博文は朝鮮統監に赴任するやいなや、まず宣教師たちに接見した。その後にも宣教師たちを随時、招いて宴会を開き、彼らをもてなし、宣教師の権利を侵害しないように官吏に命じた。
特に、伊藤は宣教師との談話会で、「政治上の一切の事案は私がそれを担当する。
しかし、今後朝鮮で精神的方面の啓蒙強化に関してはあなたたちが受け持ってください。それをもって、朝鮮人民を誘導する事業は完成されるでしょう」と言って、宣教費として毎年金一万円(現代の価値で一千万円くらい)を寄付していた。』

当時、朝鮮半島ではリバイバルが起こっていて、クリスチャンが大勢いたのです。そこに日本の宗教を持ち込んで支配したら、摩擦が起きるのは当然です。ゆえに博文はまず宣教師たちを集めて、キリスト教で半島を治めるのが一番良いと考えたのです。
彼は日韓併合に反対しており、朝鮮半島をクリスチャンの国にする政策を持っていたのです。そして、毎年一万円、つまり一千万円相当を宣教費として寄付していたのです。

しかし、歴史が変わったのは、伊藤博文が暗殺されたからです。彼を殺したことが韓国にとっては英雄的行為とされていますが、クリスチャンにとって、彼は英雄ではないのです。歴史は、ちょっとしたことで大きく変化します。権力者がどういう道を選ぶかで、後の歴史は大きく変わってしまうからです。

今、日本では新しく石破茂が総理大臣に就任して、すぐに解散となります。彼は一応クリスチャンだと言っていますが、神社で出馬宣言を行っていますから、首をかしげます。
短い命の石破さんでも、一応クリスチャンですから、この人がこの短い中で、主からの声を聞けるように祈る必要があります。
クリスチャンは政治・経済、この世の事象に関心を持たなければなりません。関心を持たなければ、知らないうちに悪魔に全て持っていかれます。
今まで歴史の中で様々な戦いが起こってきたことを意識し、それを次の世代に語り継いでいくなら、神は死を越えて私たちを導いてくださいます。

多くのクリスチャンは「自分の祈りが世の中を動かすとは思えない・・」と言いますが、そんなことはありません。伝道者の書に出てくる「貧しい一人の知恵ある者」が、神の知恵を用いて町を解放したという記事は大きな励ましです。一人一人が「貧しい一人の知恵ある者」として生きるなら、日本の将来も変わるはずです。
史実を知ること自体が、神の知恵を受けることにつながります。
さらに詳しく知りたい方は、ぜひ専門課程にお越しになっていただきたいと思います。

では、今からご一緒に聖餐式を持たせていただきたいと思います。聖餐式は神の国の到来を宣言する瞬間です。
一人の貧しい知恵ある者として歩むことができるように祈りたいと願っています。
一言お祈りさせていただき、聖餐式に移らせていただきます。

天の父なる神さま、み名を崇めて心から感謝いたします。今、世界中で様々な事が起こっていますが、そのただ中で私たちは自分の無力さを感じます。しかし、今日は貧しい一人の人が神の知恵によって町を解放したというみことばから、皆で聖餐式を行います。一人ひとりがそれぞれの場所で伏兵として配備され、知恵ある者として、町を、国を、世界の歴史を変えていく者とさせて下さい。
今からの聖餐式を祝福し、パンとブドウジュース、イエスさまのからだであり血であると宣言して、イエスさまのみ名によって祈ります。アーメン。