「あなたから始まる神の国」

2021年1月31日(日)新城教会牧師 四元雅也

ルカの福音書12章32節

『小さな群れよ、恐れることはありません。あなたがたの父は、喜んであなたがたに御国を与えてくださるのです。』

ハレルヤ!感謝します。今月は五回日曜日がありましたが、最後の日曜日にこうして皆さんの前に出ることができ、メッセージを語らせていただけますことを心から感謝します。

 

二〇二一年も明日で二月に入りますが、この年、新城教会では『回復と再建の年』というテーマを信仰によって受け取らせていただいて始まりました。

これは、旧約聖書の時代に起きたイスラエルのバビロン捕囚と、そこからの回復・帰還、この捕囚の期間があった七十年からこの数字が来ています。

新城教会の宣教七十周年、去年がその年であったわけでありますが、この年を、私たちの中に、主の約束された将来と希望を、この教会にも我々一人一人の中にも、また日本にも世界にも当てはめて、祈りと共に進んできたわけです。この国の中に、私たちの中に神の国が現されるように、傷んだところ、失われたところに七十年が満ちて、七十一年目は回復と再建がもたらされていくことを信じていくことを二〇二一年の初めにあたり、新城教会に主が与えてくださったと受け取りました。

 

旧約聖書を見ますと、神がイスラエルの民に対して、何度も預言者を遣わして、「あなた方は偽りの神々に仕えてはならない。真の神を信じ、この神のみ礼拝しなさい。さもなくば、あなた方は裁きに遭ってしまいます。国は滅ぼされ、あなた方は捕囚とされ他国に連れ去られることになる。」と、神さまは何度も何度も警告されました。「真の神を信じていきなさい。祝福、繁栄が与えられますよ!」と。

でも、イスラエルはへりくだることができませんでした。そして偶像礼拝から離れることをしなかったがために、とうとうバビロニア帝国のネブカデネザル王がイスラエルを攻めてエルサレムを破壊し、民をバビロンに捕囚として連れて行ってしまいました。紀元前五八六年頃のことであります。

しかし、愛なる神さまは罪を犯したイスラエルの民を捨て去ることをせず、また、この民から後に全世界を救い神の祝福をもたらすことになる「メシヤ」が誕生するという約束を反故にされることはありませんでした。

紀元前五三八年頃、バビロニアに代わってペルシャが台頭し、王クロスが即位しました。その元年に次のような勅令が出されました。「ユダヤの民よ、あなた方は自分の国に帰還しなさい。そしてエルサレムを再建しなさい。バビロニア王が持ち去った神殿の宝物や礼拝のための道具も持ち帰り、街を再建し、あなた方の神に向かって、ペルシャの王のために祝福を祈りなさい。」と命令したのです。

そこで、ユダヤ人たちは総督ゼルバベル、大祭司ヨシュア、預言者ハガイなどに導かれて、首都のエルサレムに帰り、翌年から神殿の再建に乗り出していったわけです。

途中、敵の妨害に遭いながら工事は進められ、紀元前五一六年頃にエルサレムの神殿の再建が果たされたと考えられています。

七十年は、イスラエルの民が神さまから離れ罪を犯したために捕囚となった年月であり、イスラエルが神さまの前で建て直されて、回復と再建が成されるために必要だった年月であります。

 

さて、エズラ記一章~六章にエルサレム神殿の再建について描かれています。

 

 

この神殿は「第二神殿」と言われているものです。ソロモン王が建てた神殿を「第一神殿」と呼ぶのに対して、バビロニア帝国により神殿が破壊され、七〇年後に捕囚から帰還したイスラエルの民が建てたのが、この第二神殿です。この神殿の寸法など詳細がエゼキエル書に描かれています。この記載に基づいてイラストにしたのがこれです。

 

 

こちらは「キュロスシリンダー」と呼ばれている歴史的遺物です。これは紀元前五三九年から五三〇年頃のものだと言われています。今は大英博物館に所蔵されています。この年代は「ユダの民をエルサレムに帰還せよ。」と命じたキュロス王(クロス王)の治世と重なります。

写真だと見にくいのですが、くさび形文字が全面に埋め尽くされています。何が書かれているかというと、クロス王の成した偉業について賞賛する言葉が書いてあります。恐らく政治的プロパガンダのために作られたのではないかと考えられているのですが、内容はこんな感じらしいです。

 

“キュロスがバビロニアを滅ぼして都バビロンに無血入城を果たし、新たな王として即位した。”

 

バビロニア帝国からペルシャ帝国に治世が移ったわけです。そして、

 

“かつてバビロンが征服した国々の神々の像を返し、バビロニア王が諸国から連れてきた捕囚の民を帰還させ、その民が王のために祈ることを求める。”

 

という内容が書かれているそうです。

これはエズラ記を読むとわかるのですが、クロス王が即位した時、

 

『ユダの民はエルサレムに帰って、彼らの神に向かいクロス王のために祈るようにしなさい』

 

という勅令が出されたと記されているのですが、その記述とこのキュロスシリンダーに書かれている内容が一致するのです。「キュロスシリンダー」は聖書の記述を裏付けているのです。

 

神さまは、神話の中でだけ登場し、訳のわからない抽象的なことを言って、また気まぐれに「世界を動かしてみようかな」なんてやっているような神さまではなく、聖書を見るとすべてのことについて神さまは計画を持っておられ、人間が罪を犯して神さまから離れる時、神さまは人間を処罰されるわけですが、ひとたび人間がへりくだって神さまに立ち返り、神さまに信頼して歩み始める時、神さまは必ずそこに回復を現してくださる。そのことを聖書から私たちは知り、また歴史を通して学ぶことができる。預言者たちを通して神さまは警告されたけどイスラエルは神に従わなかった。しかし、七十年の捕囚を経て、神さまに立ち返り、新しいイスラエルへと神さまが回復されて、新しい歴史が動いていく。そのように神さまは歴史を通じて、私たち人間に関わり続けてくださっていることを知ることができるわけですね。

 

今年順先生を通して語られたみことばは、イザヤ書四十四章二十六〜二十八節です。

 

『わたしは、わたしのしもべのことばを成就させ、わたしの使者たちの計画を成し遂げさせる。エルサレムに向かっては、『人が住むようになる』と言い、ユダの町々に向かっては、『町々は再建され、その廃墟はわたしが復興させる』と言う。淵に向かっては、『干上がれ。わたしはおまえの川々をからす』と言う。わたしはクロスに向かっては、『わたしの牧者、わたしの望む事をみな成し遂げる』と言う。エルサレムに向かっては、『再建される。神殿は、その基が据えられる』と言う。」』

 

これはイザヤが預言した言葉でありますが、私たちはエズラ記の記述などを通して、本当に神さまはこのように回復の業をされた。それを歴史的な事実として見ることができるわけです。

 

そして、エズラ記に書かれているイスラエルの再建は、神の家から始まりました。帰還したイスラエル人たちが、国の復興のためにまず着手したのは、神の宮の再建からでした。

 

「奇しくも」と言いますか、私たちが計画したわけではなく、不思議に神さまが導いてくださっているのですが、新城教会では今年一月から建物の補修が始められております。

去年の七月、この地域に二週間くらい豪雨が続き、教会の建物の一部に雨漏りが発生して、天上が一部崩落し、私たちはその捕囚のために奔走したことがありました。実は雨漏り問題は以前からちょくちょくありまして、我々も何とかしようと少しずつ手を加えてきたのですが、昨年いよいよこれはもう本格的に補修するしかないということになりました。

それとともに、教会が抱えてきた借り入れ返済が昨年四月に完了して、また銀行から新たに融資も受けられることが分かり、補修事業に取り組むための環境が整い、本格的に検討が始められて、この一月からスタートしたということであります。